平成12年に、空き店舗・空き施設化が進んでいた本地区で売却話が持ち上がり、街並み保全のため地元有志の組織である(有)長野大門会館が平成13年6月にこの土地を取得し、これが現在の「ぱてぃお大門」の契機となる。
ダイエー跡開発(もんぜんぷら座)で一定の成果を上げたTMOである(株)まちづくり長野が、平成15年9月にが事業主体となり、国から事業計画の認定とリノベーション補助金の交付決定を受けて、建設事業がスタートしました
1. TMOが事業全体をトータルプロデュース
TMOが事業全体を総合的にマネージメントし、テナントミックスによる商業施設とすることで、建物空間の魅力とテナントの魅力を相互に高め、相乗効果を生み出している。
連担建築物設計制度(建築基準法第86条第2項)を活用することで、既存建物を可能な限り有効活用しつつ伝統的な街並みの保全再生を図る。
2. TMOが事業主体となる
TMOは自ら事業主体となり、事業費の約1/3を占める自己負担分について詳細な事業計画書をもとに商工組合中央金庫より無担保無保証の融資を受けることに成功しました。
3. 善光寺周辺の活性化の中核的事業
TMOが、都市の最も重要な位置にあった低・未利用地の有効活用を牽引、この事業により、善光寺の門前周辺が長野市を代表する集客ゾーンとして蘇る(初年度約50万人)
●鰍ワちづくり長野 専務取締役 塚田 國之氏
 地域の再開発は対象地が培ってきた歴史、伝統、文化、立地、交通、地形、所有関係などの全てが考慮され、その地に合った解が得られるもので、一律な正解はないと考えている。
 善光寺門前で参拝客に荒涼とした風景を晒していた当該地は、12名の地権者に所有され、日本海側と太平洋側を結ぶ問屋街であった長野市を象徴する蔵が集積した、緩やかな南斜面の地であった。この歴史、地形、建物、樹木を極力活かし、地元と観光客の双方に支持される飲食店中心の商業集積を立案した。この結果、長野市の町づくりの基本となるデザイン、スキーム、コンセプトの結晶を見本の形で具体的に地域に提示できた。
 既に瓦と白壁を活かした店舗改装がさざ波の様に周辺に広がり始めている。また、民間主導の今回の開発に触発され、各種の再開発が中心市街地で続々とスタートしている。
●長野市産業振興部商工振興課 課長 島田 稔氏
 ぱてぃお大門は、中心市街地の使われていない商家や土蔵を活用した商業テナントミックス事業であり、既存の資源を最大限に活用することがポイントでありました。
 土地利用においては、連担建築物設計制度を活用し、敷地全体を一団地として認定を受けて整備しましたが、課題としては、予想以上に建物の老朽化が著しく、改修費用と時間がかかり、採算に見合う十分な店舗面積を確保できなかったことが挙げられます。
 しかし、「鰍ワちづくり長野(TMO)」が、短期間で地権者との交渉を成立させ、住民との合意を形成できたことが、早期の事業完了に繋がった要因と言えます。
 今後は、施設近くに整備した駐車場を活用して、新たな誘客を図り、中心市街地活性化の核施設になることを期待しています。
▲外観 表通り沿い
▲ぱてぃおの内部空間
▲ぱてぃおの内部空間
▲ぱてぃおの内部空間
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